猫コラム
にゃんこメリー運営者の田中が、皆様に伝えたい猫に関する専門知識をまとめたページです。
興味のある項目だけでもぜひご一読ください。
猫を飼っている方へ
私が幼少期の頃、猫はご飯・トイレ・就寝以外は外で自由にお出かけしているのが当たり前でした。ただ時代は移りゆくものです。現在は交通量も多くなり、家が密集している場所も多くなりました。動物愛護管理法も年々厳しくなっています。
今の時代にあった飼い方をする事は猫に対する愛情だと思います。正しい知識をつけて大切な家族である猫を守りましょう。
- 事故や病気から守るため室内で飼いましょう。
- 災害時等に見つかりやすい様に迷子札をつけましょう(猫の名前、飼い主さんの電話番号を記載した札です)。
- 不妊・去勢手術をしましょう。
- 命に責任持って終生飼育しましょう。猫を捨てることは犯罪です。
・動物虐待、遺棄
1年以下の懲役または100万円以下の罰金
・動物殺傷
5年以下の懲役または500万円以下の罰金
子猫の育て方【大切な3箇条】
①ミルク(生後半月まで2〜3時間に1回)
ミルクについて
- 必ず子猫用粉ミルクを与える(下痢や栄養不足になってしまう為)。
- 水道水を沸騰させ、温度はひと肌より少し温かくする。
- 作り置きはよくないのでその都度作りましょう。
- 粉がダマにならないようによく溶かしてください。
- 飲んであまったミルクは1時間以内であれば与えても問題ないです。
飲ませ方について
- 腹ばいにして飲ませる、人間とは逆(器官に入れば肺炎を起こしてしまう)。
- 生後2週令が経つまでは低血糖になる可能性がある為、8時間以上ミルクの間隔をあけてはいけません。
フードへの切り替え時期について
- 生後4週令ごろからミルクにウエットフードを少量入れて味に慣らせる。
- お皿からミルクを飲めるようになれば徐々にウエットフードを増やす。
- ウエットフードに慣れればそこにお湯でふやかしたドライフードを混ぜる。
- 徐々にドライフードに切り替える。
②保温(段ボールハウスの保温が抜群、汚れても捨てられるので最適)
生後1週間~3週間まで
- 生まれて体温調節を自分ではできないため、湯たんぽ、ヒーター、ペットボトルにお湯を入れタオルで巻いたもの等で段ボールハウス内の温度を30〜32度に保つ。
- しかし、ハウスの温度が高くなり過ぎると子猫の体温が上がり過ぎる可能性もあるため、子猫の体よりやや大きめの段ボールを用意しましょう。温かい場所と、逃げ場を構えれば暑い時は自力で移動してくれます。
- お部屋は暗くないと寝てくれませんので、保温もかねてハウスに布を被せてあげましょう。
生後1か月~
- フリーで飼育可能。
- 寒い時期以外は特別な保温が必要なくなりますが、子猫は抵抗力が弱いので必ず室温は23~25度くらいには保ちましょう。
- 温かい屋根付きのベットにヒーターを入れてあげると安心です。
③排泄(ミルクを飲む前、飲んだ後)
子猫のトイレ事情
- 生後14日までは自力で排泄できません。
- トントンと柔らかいティッシュやタオルで刺激しましょう。
- おしっこは容易にでますが便は2、3日に1回しか出ない事が多いです。
- あまりに便秘の時には温めたタオルでお腹を円を描くようにマッサージしましょう。
便はミルクを与えている時、水分量が多いです。黄土色の固めの絵の具の様な感じです。それ以上柔らかい状態や、明らかに下痢の場合にはすぐに動物病院につれていきましょう。子猫は脱水症状になりやすく早急に対応してあげなければ命を落としてしまいます。
トイレを覚える時期
- 離乳をする頃、トイレも覚えます。
- プラスチック製の箱に猫の砂を入れ、排泄物の匂いがついたものを入れれば自然と覚えてくれます。
猫エイズ・猫白血病
猫を飼育する際に必ず知ってほしい病気が猫エイズ、猫白血病です。発症すれば免疫が弱まり、死に至る可能性が高くとてもこわい病気です。
エイズの場合、交尾やケンカなど血液を通して感染し、発病すると抵抗力が激しく低下します。白血病は唾液、尿、母乳、血液などで食器やトイレの共有、グルーミングでも感染してしまい、3年以内に80%が死亡するとされています。
感染しているかどうかは動物病院にて血液検査をする事で判明します。費用は4,500円~5,000円の範囲に収まることが多く、結果は10分ほどでわかります。
多頭飼いを考えられている方で、検査されていない猫を迎え入れる場合は必ず最低14日~1か月隔離して接触させない様にしましょう。隔離期間後、検査をして陰性であれば初めて一緒に生活をすることができます。
猫は身体は比較的強いですが、病気には弱い生き物です。適切に管理してあげましょう。
猫のためのお部屋作り
猫はテリトリーを持って生活する生き物です。家の中が安心だと認識すれば外に出なくても十分幸せです。可愛い家族である猫ちゃんを感染症や事故などのリスクから守るために完全室内飼いをしましょう。
そのためには、お家の中を楽しいものにしてあげたいですね♪ 猫の習性を知ってお部屋を工夫してみましょう!
上下運動したいにゃん!
猫は外敵から身を守るため、高い所から周囲の様子を伺いたい生き物です。
上がって欲しくないテーブルにも軽々と上がってしまいますよね。
そんな時はキャットタワー、キャットステップの購入を考えてみてはいかがでしょうか?気に入ればその場所にしかいない位に陣取ります。
また、カラーボックスやメタルラックを利用すれば収納兼高いスペースの確保もできて一石二鳥になります。
ガリガリ大好き!
柱、壁、ソファーなど引っかくのに最適な所はガリガリとやられてしまう。悩みの種ですよね。
しかし、爪とぎするのは爪のお手入れ以外にもストレス解消やマーキング行為など大切な意味を持っています。
対策としては、爪とぎを部屋のすみやコーナーを中心に至る所に置いてみる事です。素材も段ボール、麻、流木まで揃えれば猫ちゃんのお眼鏡に叶ったお気に入りが見つかるかも!
とりあえず眠い
言わずと知れた事ですが猫はよく寝ます。1日平均14時間も寝ています。そんなに寝るのであれば快適な眠りを与えてあげたいですよね。
基本的に狭くてふわふわした所が好きなので、猫用ベットが最適です。
冬の時期であればヒーターや湯たんぽを入れて毛布をかけてあげれば実に幸せそうにしてくれます。夏は冷感ジェルの入ったパットやアルミプレートもありますので試してみてはいかがでしょうか?
ただ、購入してばかりの時は、匂いがよそ者なので使ってくれない可能性もあります。しばらくは様子を見てみましょう。
遊んでよーー!
運動不足解消、ストレス発散、飼い主とのコミュニケーションで必要となってくるのが遊びです。
遊んでくれるとよく懐いてくれますし、その子の性格も見えてきます。ただずっと遊び相手もしてはあげられないので勝手に遊んでくれるおもちゃは必須アイテム。
我が家で一番のヒットは裁縫用の大きめのフェルトボールです。コロコロ転がしてずっと遊んでいます。お金をかけない日用品(新聞紙を丸めたものや、プレゼントのリボン)が好きだったりします。
猫が居心地よく快適に幸せに暮らせるよう色々と工夫してみましょう。
何でも嚙みたい!
猫は獲物を捕る時には噛みつきますので本能的な行為です。
特に子猫は何にでも興味深々な時期なので電気コードやひもなどは好んで噛みつきます。その他、画びょう、クリップ、小さなアクセサリーなどもおもちゃにしていて誤って飲み込む可能性があります。
また、「ウールサッキング」という常同障害をもっている猫は、毛布や猫ベット、ラグやカーテン等をかじって食べてしまう子もいます。
猫を飼育する際は、飲み込む可能性のあるものは片付ける、コード類はカバーをする、常同障害のある猫が居る場合は対象物を置かないことを心掛けましょう。
ロードキル
動物を車で引いてしまった、はねてしまった。このような事故を通称「ロードキル」と言います。
猫の殺処分数の約10倍もの猫の命がロードキルにより遺体で回収されたとNPO法人「人と動物の共生センター」の2019年の全国調査で明らかとなりました。にゃんこメリーの近くの国道も田舎ながら交通量が多い為、猫が交通事故にあった話を聞きとても悲しい気分になる事があります。
猫のみならず、冬が近づくと山に食糧が少なくなる為に、タヌキ、クマ、サル、ウサギ、シカなど多様な動物が餌を求めて山から下りてきて道路を横断しますのでロードキルが多くなります。また、日が短くなり暗くなる時間帯が長くなると動物達に気づきにくくなり、事故が増えてしまうのです。
では、運転手としてどう言った事に気をつければ良いのか、自分なりに考えてみました。
- 動物警戒標識を確認する。
ロードキルが多発している場所には、道路沿いにひし形で黄色と黒で動物の絵が描かれた標識が立てられていますので、気にして運転してみましょう。
- 夜間、必要に応じてハイビームにする。
周りに車がおらず、外灯の光も無いような所ではハイビームがお勧めです。動物がいるとかなり目が光るので発見しやすくなります。
- 速度超過しない。
これは一般の交通ルールにも共通する事ですが、速度が出ていると急には止まれません。まして動物たちの動きは早く、一瞬で目の前に出てきてしまっていることもあります。安全な速度で運転しましょう。
もし事故をおこしたら…
しかしながら、どうしても避けられず動物にケガや死亡させてしまった時は警察に連絡を入れ指示を仰ぐのが最良の方法です。
もしも、事故をした動物がペットで鑑札・迷子札がつけていた場合、通報していなければ「当て逃げ」となり損害賠償を受ける可能性もあります。動物との事故だからと軽く考えず、傷つけた命に対して責任をもつ事が大切です。
道路で死んでいる動物を見かけたら…
管轄の保健所か道路管理者(標識に記載されていることが多い)に連絡しましょう。
また国土交通省が管理している24時間対応の道路緊急ダイヤルが「#9910」です。携帯からでも通話可能なので、どのような道路(市道、国道等)場所を正確に説明できる場合にはお勧めです。
起きているのを発見してしまうだけで心が痛む「ロードキル」。日々の心がけで減少していく事を願います。
「地域猫」を知っていますか?
猫は繁殖能力が強いため、不妊手術をしなければあっという間に増えてしまいます!
捕獲し(Trap)手術させて(Neuter)元の場所に戻す(Return)活動の事を英語の頭文字をとってTNRと呼び、繁殖制限した上で餌・トイレなど適切な管理を行いながら野良猫を減らし、一代限りの命を見守る取り組みの事を「地域猫」活動と言います。手術した証として術後の猫は三角に耳をカットしています。
地域猫活動をされる場合は、見守りたい猫を嫌われ者にしないようにしましょう。具体的には、ご自身が責任のとれる敷地内にトイレを設置し、餌やりを行う際は餌を置いたままにせず食べ終わるまで待ってきれいに片付けを。
高知県では、県内に生息するメス猫の不妊手術費用の一部(飼い猫6,000円、飼い主のいない猫10,000円)の補助があります。その他、自治体ごとに補助を行っている地域もありますので、詳しくは所轄の保健所に問い合わせてみて下さい。
目指そう!ご長寿猫
大切な家族の一員には健康で長生きしてほしいものです。
猫が生涯元気でいられる様に飼い主様ができる大切な事を4つご紹介します。
①食事
人間が食べるものを与えない、これが基本です。
猫は汗によって塩分を体の外に出す事ができません。人間の食べるものは塩辛く、知らない内に腎臓や心臓に負担を与えてしまいます。また、玉ねぎ、ネギ、ニンニク、チョコ、キシリトール、鶏の骨、生の魚介類、ブドウ、香辛料類などペットに与えてはいけない食べ物はたくさんあります。
ペットフードには必要な栄養素がバランスよく含まれていますので、年齢にあった商品(あまり安価でないもの)を選び、重さを量って与えましょう。
②運動
ストレス解消、肥満防止に運動することは不可欠です。
上下運動ができるようにキャットタワーやキャットウォークを用意して、よく遊んであげましょう。
③定期検診
感染症を確実に予防するため、定期的なワクチン接種や予防薬の投与は忘れず行うように心がけましょう。
定期的に健診も受け、早期発見し早期治療すればペットたちの回復も早いです。
④愛情
これが一番大切な事で言っても過言ではありません。猫はストレスに対してとても敏感なので愛情を持って接する事はとても大切です。
話しかけたり撫でてあげたりして一緒にいる時間を大切にしましょう。ブラッシングや歯磨き、爪切り等のケアもこまめに行い、接している時間が長ければ身体の異常を見つける機会も増えます。
家族の一員に対して自分にできるのか日々、心掛けてあげましょう。
猫の年齢早見表
猫年齢 | 人間年齢 |
---|---|
生後1か月 | 1歳 |
生後6か月 | 9歳 |
1歳 | 18歳 |
3歳 | 28歳 |
5歳 | 36歳 |
猫年齢 | 人間年齢 |
---|---|
8歳 | 48歳 |
10歳 | 56歳 |
15歳 | 76歳 |
18歳 | 88歳 |
20歳 | 96歳 |
小動物管理センター、福祉保健所からの譲渡
高知県(高知市以外)と高知市では、保護された犬猫がより多く新しい飼い主に出会えるように、センター又は保健所から譲渡された犬猫に対して、不妊去勢やマイクロチップ等の医療費の助成があります。
●助成の流れ
【高知市内で保護された犬猫】
譲渡を受けた日から6か月以内に動物病院で不妊・去勢手術とマイクロチップの埋め込みを同時に実施→高知市(生活食品課)に事後申請
【高知県内(高知市を除く)で保護された犬猫】
譲渡後、高知県(薬務衛生課・動物愛護担当)にクーポンの申請→クーポンが届いてから有効期限までに動物病院にて対象の医療行為を受け、助成金を差し引いた費用を支払い。
里親様にとって医療費負担が大幅に軽減される大変ありがたい助成制度です。行き場の無い子達をぜひ救ってください。詳しい申請方法や流れについては各ホームページを必ずご覧ください。
ライフスタイルにあった猫を迎えましょう
里親様のライフスタイルにあった猫ちゃんを迎え入れて頂く事をにゃんこメリーでは1番大切にしています。
猫の場合は個体によっての体格差はほぼありませんし、お散歩も必要ないため管理は比較的負担が少なく、ワンちゃんのように飼い主さんが引っ張られてケガをしてしまうという危険性もありません。
ただし、猫は適切な飼養(完全室内飼育、適切なワクチン接種や不妊・去勢手術、適正なフードの管理)をすれば現在は20年生きる長生きな動物です。
ご自身の20年後を想像した事はありますか? 30〜50歳までを切り取って見ても結婚、子供の誕生、マイホーム購入、転職、離婚、親の介護…など例をあげれば環境の変化は目まぐるしくあります。想定外な事もたくさん訪れますので、その時でも猫と一緒に歩んでいける覚悟と金銭的な余裕はありますか?
また人生100年時代という言葉はございますが、健康寿命(介護の必要がなく健康的に日常生活が送れる期間)は2021年の厚生労働省の調査では男性72.68歳、女性75.38歳であったと発表されています。その事を念頭において、自分の責任を持てる範囲で猫を家族に迎え入れる準備はできていますか?
現在の飼育環境を整える事はもちろん大切ではありますが、1番大切な事は自分では生きていけない家族を最期の時までどう守ってあげるかどうかだと思います。 姿が違えど私達と同じ感情のある生き物で飼い主さんと離れるのは辛いんです。どうか猫達の気持ちになって考えた上で譲渡を受けて下さいね。
猫を保護する場合(室内)
【先住猫がいる場合】
絶対に完全隔離してください。
感染症をもっている可能性があります。猫の怖い病気の1つであるパルボウイルスは14日が潜伏期間といわれていますので、保護猫を触った後は必ず、手洗い、消毒をして先住猫と触れ合うようにして下さい。
食器の共有、トイレの共有についてもしてはいけません。隔離後1カ月後のエイズ・白血病検査で陰性であれば一緒にしても大丈夫です。
【成猫の場合】
2回目のワクチン接種
【子猫の場合】
※生後間もない乳飲み子猫
生後2日からできるスプレーがあります
母猫の移行があるために生後2ヶ月以前に血液検査をした場合、正しい結果が出ない可能性があります。
一連の流れについては前提条件によっては処置が前後しますので参考までにお願いします。詳しくはかかりつけの動物病院の先生と話し合った上で決定されて下さい。
【費用について】
※病院によって変動あります。
◇ノミ・ダニ駆除
外部と内部の寄生虫も一緒に駆除できるお薬もあるので費用は様々です。
ノミ・マダニ駆除のシンプルなものはネットで3本入り1,700円くらいで販売されています。
◇ワクチン接種
3種混合ワクチン 3,500円+(税)~5,000円+(税)くらい
室内で保護をされる場合は3種で十分です。
◇エイズ・白血病検査 4,500円+(税)~5,000円+(税)くらい
10~15分ほどで結果はすぐに出ます。